

本作の主人公である少年ゾンビ。
本名:櫻 時之進 篤清(さくら ときのしん あつきよ)
職業:クラウン
享年:満12歳1ケ月
生没年:1857年4月5日~1869年5月11日(旧暦)
身長134cm/体重27kg
黒髪に青い目、小麦色の肌を持つ男の子。
ゆるふわな笑顔がチャームポイント。
長めの髪(武士の名残)と愛らしい風貌でよく女の子と誤認される。本人は訂正するものの、特に気にしていない。
やんちゃでおバカな行動が目立つが、相棒の路子(コニー)曰く「どこまでが演技かわからない」。
一見無邪気である一方、きわめて計算高く狡猾。
その計算や狡猾さはすべて他者のために使われ、自分の利益には無関心である。

History
誕生と幼年期
幕末の箱館に、旗本で奉行所役人の父・櫻長一郎とアメリカ人の母・富のもとに生まれる。
母は妊娠中、体調不良により自分の死を悟り、子だけでも助けたいと『紫のオイル』を服用していた。
母は産褥死し、時之進は生後間もなく幕府の学校・海青館へ預けられる。
異人風の容貌からいじめを受けるが、時之進は逆に相手を挑発していた。
いたずらや無茶を繰り返し、その悪行はすべて学頭の手紙によって父へ報告されていた。
同室の新吉、金太郎とは兄弟のように育ち、日々を共に過ごした。
武術を好み、特に剣術と砲術に優れていた。
またイギリス人・フランス人の教師に懐き、語学を身につけていった。
夜中にこっそり抜け出してはアイヌのコタンに通い、少年ウヤンクルと遊んでいた。
顔も知らぬ父を慕いながらも、他の子のように手紙や面会がないことには気づいていた。
箱館戦争と死
箱館戦争が始まり、奉行所の役人たちが内地に避難したことを知ると、父の代わりに旧幕府軍として出陣することを決意する。
共に戦った金太郎を矢不来の戦いで失う。
箱館総攻撃の日、五稜郭で新吉が重傷を負い、介錯を命じられるが安兵衛に止められる。
その後、焼き討ちされた高龍寺へ向かう途中で敵軍と遭遇。抜刀して突撃し、一斉射撃を受け絶命する。
遺体は新政府軍に回収され東京へ送られ、長年にわたり『ランプ計画』のもとで非人道的な扱いを受ける。
関東大震災の混乱の中、一人の職員によって持ち出され、月藤邸へ運ばれる。身元隠ぺいのため女児用のドレスを着せられ、箱に収められたまま眠り続けた。
ゾンビとしての目覚め
昭和40年、ドレス姿で箱に入っているのを櫻コンスタンス路子(コニー)によって発見され、ゾンビとして目覚める。
路子により現代の生活と「ゾンビとしての生」を教わりながら過ごすが、いたずらや悪さを繰り返し周囲を手こずらせていた。
飛行機や自動車といった文明にも特に驚きを見せず、仕組みをすぐに見抜いてしまった。
『道化師トキオ』として
路子に誘われピアノやアクロバットを学び、やがて共に道化師として活動するようになる。
その際に与えられたクラウンネームが『トキオ』である。

人物
クラウンとしてのキャラクターは、
『無邪気でやんちゃ、少しぼんやりしていて失敗ばかりの男の子。』
人間の友人・純や、幼いモモコの前では基本的にこのスタンスで振る舞う。
――もちろん、それは『演技』である。
演技と適応
生前、親の顔も知らず、混血としていじめられていたため、人を見抜き、ゆるふわな表情で相手の警戒心を解きながら、相手に合わせて『最適な自分』を演じる術を身につけた。
青い目を理由に『武士らしくない』と言われ、さらに父が面会に来ない状況のなかで、「立派な武士になれば父上が迎えに来る」と信じ、武士教育や軍事訓練に過剰適応していった。
失望と戦死
しかし箱館戦争の開始により、父が内地へ避難したと知り、自分は捨てられたのだと理解する。
櫻家の名を汚さぬため、旧幕府軍として出陣。強い失望を抱えたまま戦死する。
父への失望、従軍経験と仲間の死、全身に銃弾を受けた苦痛、そして死後の非人道的な扱いは、ゾンビ化後もなおトラウマとして残り続けている。
現在の振る舞い
しかし本人はそれを一切匂わせず、いたずらやアホ行動を繰り返し、路子を怒らせ、純に呆れられ、モモコに笑われている。
唐突に情緒が崩壊し、泣き出すことがある。
情緒不安定であることは自覚しているが、それを他者にぶつけることはない。
人と接するときの振る舞いは基本的にすべて『演技』であり、相手のニーズに合わせて最適化された姿である。
長年共に過ごす路子でさえ、本心を読み取ることはできない。
距離感と自己認識
子どもと遊び、人に甘えるような仕草を見せる一方で、馴れ合いは嫌う。
昭和50年に月藤邸を飛び出したのもそのためである。
『自分は役に立たなければ価値がない』という認識が、細胞レベルで染みついている(ただし他者には当てはめない)。
医療との関わり
自分の体が実験に使われてもよいと考え、都内の小児科医のもとに身を寄せる。
その後、大学病院にて『検体ゾンビ』となり、検査の結果『赤緑色盲』と診断される(当時の診断名)。
令和現在に至るまで、解剖や手術の練習台となっている。
小児科病棟ではクラウンとして子どもたちの遊び相手をつとめ、主治医からは『アホ男子』と評されている。
性質
人に優しくされることは苦手だが、他者には惜しみなく与える。
ふいに目が鋭くなる瞬間、そこにいるのはクラウンではなく『武士・櫻時之進』である。
演技の殻をすべて取り去ったら、そこにいる本当の彼は『ただの幼い男の子』なのかもしれない。

台詞
「ぼくだけが生き返って、不公平だと思ったこともあった。でも、もう一度目を開けたとき、喜んでくれた人がいたから。」

その他
足が非常に速い。
剣術とダンゴムシ、ラジオを聴くのが好き。
絵と文字が壊滅的に下手。
服飾に興味がなく、いつも与えられたものをそのまま着ている。女児用でもボロボロでも気にしない(しかもよく後ろ前や裏返しである)。
晩年に息子の戦死を知った父・長一郎により『篤清』の諱を与えられる。