織姫と彦星のおはなし

紫のオイルの起源

これは伝説であり、真実かどうかは誰にもわからない。

昔、アルタイルの化身である彦星は、心を病んだ父を救う方法を求めて地上を旅したという――

旅の果てに彦星は、ローマ帝国で一人の娘と出会った。

彦星は娘を天界へ連れ帰り、星としての命を与えた。

しかし病の重くなった父によって、二人は天の川を隔てて引き裂かれてしまう。

長い年月が過ぎた。

年に一度しか会えない中で、娘――織姫は少しずつ元気を失っていった。

彦星は決意する。

月の力を借り、大地から万能の薬が湧き出るようにしようと。

高貴な紫色で、飲めば心と体が軽くなるような、そんな薬を。

そして西暦620年。

ついに、とある地底湖から紫色に輝く油が湧き出した。

――それが、『紫のオイル』。